かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
その後、のんちゃんは彼氏さんともう1度話し合った。
陸くんの憶測の話は、ビックリするくらい的を得てたらしい。
のんちゃんは、もう一度だけ…
彼氏さんにチャンスをあげた。
そして、やり直した2人はすごいと思う。
「のんちゃんは凄いよね。私だったら許せないもん。ずっと疑っちゃうし…」
「うん。でもそれだけ好きだったんだと思うよ。特別に彼氏さんの事!」
「……そっか」
私は…許せなかったな…
健吾の事。
「まーた考え事?」
ふわっと抱きしめられて、陸くんの顔を見上げる。
「桃香もわかんなかったと思うよ。」
「え?」
「彼のこと許せなかった自分は、たいして好きじゃなかったの?とか考えてたでしょ?」
えぇ~!?
何でわかるの!?!?
目を丸くした私を見て、陸くんが笑った。
「桃香の事なら、何でもお見通し」
そう笑う笑顔はいつもの優しい笑顔で、またキュンとした。
「桃香にはさ、その時居たじゃない?」
「え?」
「元彼よりも、愛しい人」
いたずらっ子みたいに笑う陸くん。
「あっ、そうだった!もう私その時、100倍愛してる人に出逢ってたんだ!」
気付いた私に、また笑って、
優しいキスを落とす。
もう、私は陸くんの虜だよ。
深くなる口付けに、
頭が真っ白になりそうだった。