かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
私と健吾が沈黙に包まれていたら…
「桃香…」
と私を呼ぶ声がした。
声のする方を見たら、
切なそうな顔をした陸くんが居た。
今の話…?
「…桃香…本当?赤ちゃんって本当?」
「……うん」
「…そっか」
「…監禁されてた時の…」
「……」
もう陸くんからの言葉はなかった。
うなだれるように帰って行った陸くん。
私は、その背中を見て…
陸くんとはもう終わりなんだって思った。
そして、そう思ったら…
とめどなく…涙が溢れて零れ落ちた。
そんな私を、健吾はそっと支えるように抱き締めてくれた。