かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
健吾の事を思い出して、ボーッとしてしまった私に、
彼が不思議そうに訪ねてきた。
「桃香さん…?どうかしました?」
「あ、ううん。ごめん。何でもないよ。」
私は笑顔でごまかした。
その瞬間、私の携帯が鳴った。
相手は、健吾だった。
健吾じゃない人と一緒だったので、ちょっとびっくりしたが、
平常心を取り戻して、私は健吾からの電話に出た。
「もしもし?」
「…桃香?お前会社休んだんだって?」
「うん…」
「俺より先に家出たのに…なんかあったか?」
心配そうな声の健吾。
「…途中で具合悪くなっちゃったの。でももう家だし、寝てるから大丈夫」
「…そっか。家でちゃんと寝てよろ。どっかブラブラすんなよ」
「うん、わかってる」
「じゃ、なるべく早く帰るからな」
「うん。わかった」
そう言って電話を切った。