かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~


改札を出てすぐ、私は陸くんに電話をした。


すぐに繋がる電話。

「もしもし、陸くん?私、桃だよ~」

「知ってるし(笑) 今帰り?」

「うん、そうなの。陸くんは勉強してた?」

「ううん、今休憩中」

「そうなんだ~」

「桃?今日…お気に入りのスカートだね?」

「ん?何でわかるの?陸くんエスパー?」


途端に噴き出す陸くん。


「エスパーなんて久々に聞いた(笑)」

「もう!笑わないでよぉ~」

「だって、桃香天然なんだもん!」

「もう…」

「そのふくれた顔も可愛いよ」


ん?

私はハッとして、周りを見回した。


売店の脇に、おかしそうに笑いをこらえてる愛しい人。



陸くん…



「来てくれてたんだ?今日会えると思ってなかったから…」

「うん、勉強頑張って休憩しようと思ったら、どうしても桃香に会いたくなって…」


好き。

好き。

好きって気持ちが溢れてくる。



「陸くん!」

思わず抱きついた。

優しくギュゥって抱きしめてくれる。



好きって気持ちが止まらなくなる。

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