かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~


先輩と男子生徒さんが去って、

ここに残ったのは…陸くんと私…。


なんか陸くん、ピリピリオーラ出てません?

怖いんですけど…


「…なんで奥ちゃんが、桃香を桃香って呼び捨てにすんの?しかも携帯って…」

「…あ、いや…私…」

「何?どういうこと?」

「奥村先輩は…1学年上の先輩で…ちょっと親しかったの」

「…先輩?…ただの先輩後輩?…携帯って何?」


陸くんの迫力に圧倒されて、本当の事を話す。



「…あの…そのね…1年半…くらい付き合ってたの…」

「桃香と…奥ちゃんが…」

「あ、でもでも…何もなかったからね…先輩とは…」


陸くんの悲しそうな顔に、慌てて否定する私。


「何もって…?キスも?」

「うん。先輩も私も奥手だったから、してたのは一緒に駅まで帰るだけ。」

「1年半も付き合ってて?」

「うん。本当だよ」

「…でも…なんか嫌だな…」

「え?」

「制服姿の桃香を知ってる。10代の桃香を知ってる。俺の知らない桃香だもん…」

「陸くん…そんな事言わないでよぉ…」

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