かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
幾度の危機を乗り越えて…

クリスマス前なのに…



文化祭も終わって、陸くん達3年生は、

受験にまっしぐら。

外は寒さを増して、

そして、街はイルミネーションに包まれて、
クリスマスムード一色になる。



「クリスマスどうするの?」

カフェでおしゃべりを楽しんでる最中に、
綾ちゃんが、ふと私に聞いてきたクリスマスの予定。



「んーどうだろう?陸くん受験生だしねぇ…。綾ちゃんは?誠くんとデート?」

「うん♪イブからずっと一緒に過ごすの!スイートルーム取ってくれたんだって!」


うっとりしたように幸せいっぱいに答える綾ちゃん。


「すごね~素敵じゃなーい!」

「うん、とっても楽しみ♪桃ちゃんも特別なことは無理でも、少しは会えたらいいね!」

「うん、そのくらいの時間は作ってくれると思うよぉ!」



なんて…こんな会話をしたけど、

実際、陸くんにクリスマスの話なんて話し出せなかった。



だって、今が大事な時期ってのがすごくわかるんだもん。

一緒に過ごすなんて無理って頭の中では半分以上諦めてた。



でも、やっぱりプレゼントだけは用意したいって、
そう思って、そっと用意したプレゼント。


陸くんにとっても似合いそうな時計。

もうすぐ大学生になる彼に、

ちょっと今より大人っぽいカッコいい腕時計。


あの陸くんの綺麗だけど、男っぽい腕に…って想像しただけで、
ドキドキしてニヤけちゃう私は本当に陸くんにハマってるなぁ。



健吾と付き合ってる時だって、こんなクリスマス楽しみにしてたっけ?


やっぱり陸くんは特別なんだって思う。

勉強で忙しいの分かってるけど、

やっぱりひと時でもいいから、一緒に過ごしたいなぁ…。

聞いてみようかなぁ…。

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