かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
モヤモヤしたまま、駅に行ったけど…
正直、電車に乗る気になれなくて…
会社…今日は休んじゃおうかな…って考えてたら、
後ろから、肩をポンと叩かれた。
「おはよう!桃香ちゃん、今日1人か?陸は?」
「あ…柏木さん…」
「あんな事があった次の日じゃ怖いだろ?陸と一緒に行くんだろう?」
「あ…いえ…陸くん今日忙しかったみたいで…早く登校しちゃいました…」
「はぁ?何やってんだアイツ…彼女の恐怖心がわかんないなんて…」
私の話をきいて、柏木さんは呆れたような怒ったような表情をした。
私は慌てて、否定をした。
「あ、いえ違うんです。陸くんとは昨日話せなくて、今日も話聞く時間なかったみたいで…
昨日の事は、陸くんは知らないんですよね…なので、陸くんは悪くないんですよ」
「でも…話聞かんってのは問題だな…」
「陸くんだって、忙しい時は余裕ないですから。私大丈夫ですから…」
そう言った私の前に、大きな手のひらが…
ん?何?って柏木さんを見上げると、
ニカッって笑った笑顔がそこにあって、
「んじゃ、俺が一緒に乗ってやるから、そしたら怖くないだろ?」
そう言うと、柏木さんは私の手を取って、
ホームへと向かって行った。
私も…なんか安心して、
手をつないでる事を、簡単に許してしまったんだ。
それをまた見られてる事にも気づかずに…