かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
それぞれの想い
「ごめんは、俺の方だよ!ごめん、桃香!」
そう言ってギュッって抱きしめてくれる陸くんの肩は微かに震えてた。
「陸くん…ごめんね。不安にさせちゃったのは私だから…そんな風に追いこんじゃって…ごめんね」
「違うよ!俺が桃香の話聞かないで…桃香の事信じられなかったから…本当にごめん」
久しぶりに感じる…陸くんの温もり…。
「ううん。抱き合ってることなんて見たら、私だって信じ切れなくなるよ、きっと。ダメなんだよ。
どんなに辛くても…他の人に甘えちゃ…私が甘えていいのはこの腕の中のはずなのに…」
そう。
いくら怖かったからって、そんなの言分け。
抱きしめられたって、離れるべきだった。
甘えていいのはこの世でたった1人だもん。
それに突き放されたって、もっと陸くんに話せば良かった。
怖かったんだって気持ちも、
傍に居てほしいのは、陸くんだって気持ちも。
拒絶されるのが怖くて…臆病になってたんだ。
「ごめんね。陸くん…。でもね。本当に陸くんだけだよ…私。ごめんね」