かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
のんちゃんの病院へ向かう途中…
私はまた考え事をしてしまった。
大学に通ったことのない私には、今の陸くんの世界がピンとこなくて…
時々、今日みたいに遠く感じてしまう事があるんだ。
サークルとか、歓迎コンパとか…
なんか知らない世界…。
ちょっとだけ虚しく感じながらも…
私は、気を取り直して病院へ行った。
まだ産まれてないらしく、
分娩室の前に行った。
そこにはのんちゃんのおばさんが居て、ご挨拶した。
和馬さんは、立ち会ってるらしい。
「桃香ちゃん、わざわざ来てくれてありがとうね!」
「いえ、赤ちゃん楽しみですね!」
「えぇ、無事で生まれてきてくれれば、それだけで幸せね」
「そうですね、母子共に健康であってくれれば、それだけで嬉しいですもんね」
そんな話をしてる時、
元気な産声が聞こえてきた。
私はおばさんと手を取り合って喜んだ。