かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~


無言の私に気付いた陸くんが、声をかけてくれる。

「ん?桃香…どうした?」

「ごめん…陸くん…私具合悪いから帰る…」

「え?じゃ俺も帰るよ。送るから!」

心配そうに慌てたように言う陸くん。


「いいの。まだ水着買ってないでしょ?陸くんはゆっくりしてきて…」

「そういうわけにはいかないよ!」

そう言って私の腕をつかんだ陸くん。


「離して!いいって言ってるでしょ!1人で帰れるから!」


そう言って私は陸くんの腕を振り払って…1人でスタスタ帰った。


かわいくない。

嫌な女。


でも…あのまま一緒に居たら…

きっと責めたし、泣いて困らせたから…



いつかは…陸くんは離れてく時が来る。

だって陸くんは若いもん。

同世代の可愛い女の子はたくさんいる。


あの…沙織って子も…

すごい可愛かったなぁ…



やっぱり…私の負けかな…

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