かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~


「お母さん!なんてこと言うの!?」

私は慌てて、お母さんを止めようとしたけど、


「桃香は黙ってなさい!」

お母さんの怒った顔と声に、一瞬ひるんでしまった。


「…中谷さんって言ったかしら?あなた…まだ未成年なんですって?」

「…はい。19になります。大学に通っています…」


「大学1年生ね?」

「はい」

「うちの桃香は、もう今度23になるんです。
そろそろ結婚だって考えないといけない年です」

「……」

「大学卒業まであと3年以上もあって、その頃には桃香は26です」

「……」

「私は、25歳を過ぎて独身でいる事が、女の幸せだとは思えません!
 所詮ね、あなたとは無理なのよ。あなたの卒業を待ってなんて、
 桃香の人生をあなたは何だと思っているの?本当に桃香の幸せを願うならね…」


そう捲くし立てるお母さん。

そこに割って入ってきたのは…


「やめなさい。さくら!」

「…卓也さん…」

お父さんだった。

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