かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~


「でも…桃香…結婚は早い方が…」

お母さんが口を挟んできたけど、お父さんがそれをやめさせた。


「さくら?結婚は時期の問題?早ければ幸せなの?」

「だって、私は卓也さんと早くに結婚して、
藤也が生まれて、桃香が生まれて、幸せだったわ」


「うん。それは僕も一緒だよ。でも、それは早く結婚したから?」

「え?」

不思議そうにお父さんを見つめるお母さん。


「じゃあ、僕と出逢ったのが、もう少し後の話で、25歳を過ぎていたら?」

「え…」

「さくらは、たとえば親の勧める他の人と結婚して、他の子供を産んで幸せだった?」

「嫌よ!そんな訳ないじゃない!私は卓也さんだから…」

「うん、そうだよね?僕もそうだよ。それと一緒じゃないか?」

お父さんが優しくお母さんの顔を覗き込む。


「さくらにとっての僕が、桃香にとっての彼なんじゃないか?」

「……」

「結婚の時期より、誰と一緒になりたいか?じゃないのか?」

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