かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
「あぁ…文化祭で、桃香に再会して…中谷と付き合ってるって知って…」
「……」
「時が経って、もう落ち着いてたと思ってた気持ちが、実際会ってしまったら…
封印してた気持ちが…溢れ出してしまって…桃香の事が頭から離れなくて…」
先輩の言葉を聞いて、辛そうに顔を歪める麗美さん。
「…結局…圭介が好きなのは…ずっと桃香ちゃんなんだよね…私は桃香ちゃんを越えられない」
そうポツリと呟いて、涙を流す麗美さん。
「…ごめん。また…麗美を傷つけたな…ごめん」
先輩が謝る。
「ううん…私もごめんなさい。聞いてたんでしょ?陸くんとの会話…」
「………」
「また裏切ろうとしちゃったね。またあなた以外の他の人に逃げようとした…」
「いや…悪いのは俺だから…」
麗美さんは、急に私の方へ向き直ってくれた。
「桃香ちゃんも本当にごめんなさい」
「……」
私は何も答えられなかった。
そのまま、私と陸くんは帰る事にした。