かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
「今回の事故で…僕は本当に打ちのめされました。
桃香さんが居なくなってしまったらと…
目の前が真っ暗になりました。桃香さんが目の前から消えてしまう事が怖くて怖くて…
今までもかけがえのない人だと思っていましたが、
身を持って実感したんです。僕には、桃香さんはなくてはならない存在なのだと…
そう思ったら…少しでも1秒でも早く…桃香さんと一緒に人生を共に歩んで、
桃香さんを守っていきたいって思ったんです…」
俺はお父さんの目を見て真剣に気持ちを伝えた。
「……気持ちはわかるが…」
お父さんは複雑そうな表情を浮かべる。
「人生何があるか、本当にわからないんだと、今回の事で実感しました。
そして、もう後悔したくなって思ったんです。
僕はずっと桃香さんと、早く結婚したいと願っていました。
ずっと一緒に居たい、守りたいと…」
「……」
「でも今回こんな事があって、何でプロポーズしておかなかったんだろうとか、
何で、踏み込めなかったんだろうって、後悔ばかりしていました…。
桃香さんを失うんじゃないかって思ったら、行動しなかった事を本当に後悔したんです」
「…後悔か…」
ぽつりとつぶやくお父さん。
「もう後悔したくないんです。何があっても、桃香さんの傍に居たい。
誰よりも近くに居て、いつまでも守れる存在になりたいんです」
「それが結婚なのか?」