かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
お父さんの真っ直ぐな真剣な眼差し。
俺は、目を逸らさずにはっきりと答えた。
「そうです。家族になりたいんです!」
「うむ」
小さな溜息をついて、
お父さんは黙ってしまった。
お母さんは、お父さんを見つめている。
「…いんじゃねーの」
ポツリと声を発したのはお兄さんの藤也さん。
「桃香も社会人なんだしさ…それなりに貯金もあるだろうし。問題ないんじゃないの?」
「藤也…そんな無責任な…結婚って本当に大変なのよ?」
藤也さんの言葉に、お母さんが慌てて意見する。
「それは俺にだってわかるよ。でも俺の友達だって、学生結婚した奴だっているしさ…
でも、そいつらはちゃんとやってる。もしも困った事があったらさ、周りが助けてやればいいじゃん!」
お父さんはそのやりとりを黙って聞いている。