かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~



「……」


沈黙が怖い。



黙り込んでいたお父さんが、そっと尋ねてくる。


「桃香は…そうしたいって?」


「いえ、桃香さんにはまだ何も話していません。桃香さんへのプロポーズの前に、
 僕は、お父さんたちにきとんとお話してきちんと了承をとっておきたかったんです」


「…陸くんのご両親は?もう了承もらったの?」


今度は、お母さんが尋ねる。


「いえ、桃香さんのご両親が1番先だと思ったので。もちろん、ご了承頂けたなら、
 この後、うちの両親にもきちんと話して、了解をもらうつもりでいます。
 それからきちんと桃香さんへプロポーズをさせて頂きたいと思っています」


「…全て問題を失くしてから、桃香に言うってことかい…?」


「はい、桃香さんに…言う時は、全てクリアにしていたいんです。
 安心してついてきてもらいたいって、そう思うんで…」


真剣な眼差しのまま、俺をじっと見つめるお父さん。


ドキドキはピークだった。

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