かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
「マンションでも一軒家でもいいが、家をちゃんと買ってほしいと思ってるんだ。
家賃で、生活と言っても、契約手続きとかで貯金は簡単になくなるものだ。

それだけ新しい生活ってのはお金がかかる事なんだよ。だからね、その貯金は、
生活やこれからの為に役立ててほしいから…せめて住む場所の面倒を、私に、見させてはもらえないだろうか?

もちろん…陸くんのプライドもあるだろうから、君が一人前になったら、返してくれればいいって事で、今は援助させてもらえないか?」


「お父さん…」

「やっぱりね、かわいい娘なんだ。甘いと思うかも知れないが…娘の為なら、
親として出来る事は、ちゃんとしてやりたいって…そう思ってしまうんだよ」


そうやって照れたように笑うお父さん。




お父さんの気持ちは痛い程、わかった。

正直、迷惑はかけたくないとは思う。

でもそれ以上に、心配かけてはいけないんだとも思う。



「…はい。わかります。…俺、ちゃんと一人前になります…その時は必ず、御恩をお返しします!」


「うん。わかってくれてありがとう。人はね、時には誰かに頼ることも大事だ。
未熟な君たちが一緒になるんだから、甘えれる時は甘えていいんだと、
そう覚えててほしいんだ。子供たちの幸せを願わない親はいないからね」


「はい、ありがとうございます!」

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