かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
再会 *気付いた本当の気持ち*
それから午後の仕事のことなんて覚えてない。
帰りの電車の中でも苦痛で…
どこかに消えたい衝動に駆られた。
18歳で初めて本気で恋して…
私には健吾が全てだった。
健吾さえいればいいとさえ思ってた。
でも…健吾にとってはそうじゃなかった。
私だけ…じゃなかったんだ…。
気付いたら、私は泣いてた。
涙が溢れてた。
気付くと、目の前に誰かが立っている。
紺色のズボン。制服みたいな。
制服?
顔をあげると、切なそうな顔をした陸くんが立ってた。
「また泣いてるし…」
「り…陸くん…?」
私は陸くんの顔を見て急にホッとして、
思わずその胸に抱きついて泣いてしまった。