かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
「俺は…やっぱり桃香さんが好きだから、
彼氏役は無理なの。本当の彼氏がいるのに…」
「……」
「抱きしめたら、彼氏の影感じて、嫉妬に狂う。だからね、俺やっぱ無理…」
「……」
「ごめん…俺もう…桃香さんに優しく出来ない。支えられない。辛いんだ…忘れたいんだ…。自分でもこんな器が小さいなんて思わなかった。彼氏が居ても、力になれる思ってたのに…そう思ってたのに、結局…嫉妬ばっかりで苦しくて…根性なしでごめんね。やっぱガキだね」
忘れたいを繰り返す、陸くんの言葉が、
とっても悲しくて、辛くて…
溢れる涙が止める事が出来なかった。
「嫌…嫌だよ…陸くん…」
「桃香さん?」
「いや…忘れないで…忘れちゃ嫌だよ…」
私の陸くんへの想いは…涙と一緒でもう溢れて止まらなくなっていた…
「桃香さん?どうしたの?」
取り乱す私を心配そうに覗き込んだその顔は、
私の大好きな優しい顔で…でも少し困ってるようにも見えた…