かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
「ごめん、傷つけるつもりじゃなかったんだ……ただ俺…誰かの代わりになんてなりたくなくて…」

「…ヒックっ…陸くんは代わりなんかじゃないよぉ…」

「……」

「そりゃ彼の事…ショックだった…。ずっとだまされたんだもん。…でも…ね」

「うん」

「そんなにショックが大きくなかったのは…陸くんの顔が浮かんだから…」

「!?」


驚いた陸くんの顔…



「陸くんが今朝…電車に乗ってない方が…ショックだった…」

「マジ?」

「…昨日も…帰ってから…陸くんのことばっかり考えちゃって…」

「桃香さん…それ本気?からかってないよね…?」


不安そうな…私の気持ちを伺うみたいなに控え目に聞く陸くん。


「からかって騙す女に見える?」

「ううん、そんな訳ないね!…びっくりして…いや…でもマジ嬉しい!」


あのかわいい笑顔。

私の好きな笑顔が私に向けられてた。

その笑顔を見たら、私は素直に気持ちを話し出せてた。

< 61 / 596 >

この作品をシェア

pagetop