かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
「健吾さんをちょうだい」
そう言う真奈美の申し出でに、
真奈美の目を見て、私はゆっくり答えた。
「真奈美…健吾はあげれない」
「桃香…何で?…桃香ずるいよ…」
「ずるいって?」
「今までさんざん健吾さん独り占めしてきて、これからも独り占めするなんて…」
反抗的な真奈美の視線が痛い…
「独り占めか…でもごめんね、真奈美。でも健吾はあげれない」
「何で?何で?私のが健吾さんを好きだよ?」
「…私だって本気で好きだったよ!誰かに取られるなんて思ってなかった」
「……」
「何が独り占めよ。真奈美だって、健吾に抱かれたんでしょ?共有してたんじゃない!」
「…でも心は…いつだって桃香だけのもの…」
真奈美の瞳からまた涙がポロポロと零れ落ちる。
「だから何?心がなければ浮気していいの?」
「許せないんでしょ?だったら、私にちょうだいよ!」
「…だから、真奈美にはあげない!」
私たちのやり取りを見てた健吾が、嬉しそうに言った。
「桃香、あげないって…じゃ俺と…」
「健吾、私…。健吾の事…」