かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
健吾は私の言葉に嬉しそうな顔をした。


「もも…」

「好き……だったよ。もう過去形だけど…」



「過去形?」



そう過去形。


愛してたも、

未来を夢見てたのも、



全部、もう過去形なんだ。



「健吾…もう戻れないよ」

「桃香…頼む!もう一度だけ…」


首を横に振った。


「もう無理だよ。やり直しても、私は健吾をもう一生信じられない」

「頼む、もう二度とないから…誓うから…幸せにする」

「幸せ?幸せって何?毎日あなたを疑って不安になってる毎日が幸せ?」



健吾は傷ついたような顔をした。


いっぱい傷ついたのは…私の方なのに…。
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