SECRET
「社長っ!」
「あら、お疲れ様」
「アメリカってどういうこと?」
「はい、書類」
「……」
はい、書類って…
説明なし?
「パスポート用意しておいてね」
「意味が分からないけど」
「まぁ書類読みなさい」
パソコンの画面を見ながら言った。
「麗音っ!あがりでしょ?レナも一緒に連れて帰って」
「了解」
麗音はマネージャーに車を出すように伝えた。
「じゃあよろしくね」
社長は電話をかけはじめた。
私は帰りの車の中で書類を開いた。
「…………」
「いいねぇ、アメリカ」
「別に」
私はなかなか乗り気になれなかった。
むしろ行きたくない。