空にかかる橋
星空
夕日。

あの時あの場所で出会わなければ
今の私はどうなっていたんだろう。

あの時あの場所で出会わなければ
苦しくて、悲しい思いもしなくて
済んだかもしれない。

あの時あの場所で出会わなければ
うれしくて楽しい思いは
しなかったかもしれない。


「お母さんになんてわかるわけないじゃんっ!
もうお母さんのいうとおりなんてできないよ。」

そういって飛び出した私。
小山希海。
海が大好きな親が着けた名前。

でも今は海どころじゃなかった。

今15歳。
大事な高校受験を控えていた。
勉強に日々励む毎日。

大好きなTV番組も弟しか見れなくて
ピンクのケータイも没収だった。

「受験が終わるまでの辛抱よ!」
「受験が終わってから見ればいいじゃない。」

今日だって学校から帰ってきて
久しぶりにピアノに触っただけなのに。

「いつになったら勉強するの?
もう時間がないのよ。」

って怒られた。

もううんざりだった。
毎日毎日同じようなことで怒られては
勉強して・・・。
いやだった。
空きさえあればコンビニに行って
ガムでも買いたかった。

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