空にかかる橋
「チッ!いい女だと思ったのに・・・。」

後ろで男が舌打ちしているのが
聞こえた。

これからどこへ行こうか・・・?
まったく決めていなかった。

友達の榛菜の家にしようか・・・?
そこだとお母さんに普通に
ばれてしまう・・・。

しばらく考えながらまっすぐ歩いていると、
小さなかわいい公園があった。

もう夕日が見えて公園が
赤く染まっていた。

「しばらくそこで休憩しよっと♪」

公園に着き・・・
ただ一人でベンチに座っていた。

お母さん心配してるのかな?

ずっと考えていた。

だんだん暗く空がにごってきたとき。

「どうしたの?
こんな夜遅くに・・・。」

声をかけてきたのは男性だった。

少し年上かな?
って思っていたけど次に見せたあのあどけない
えがおで同年齢かと思った。

「家出」
冷たく答えた。
今は誰にも心配も同情もしてほしくなかった。

「俺は翼。
17。今はちょっと星を見に来たんだ。」

17歳・・・。
ってことは2歳年上・・・。

「星なんて見えないジャン。
翼君。」

「俺の名前は翼。
君もさんもいらねぇよ。
星はもうすぐで見えるんだよ。
後10秒くらいで。」

「10秒・・・?」

そう私が問い返したところで
彼が黙った。
どうしたんだろ・・・。
何か失礼なことでも言ったかな?
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