想うのはあなたひとり―彼岸花―
“皐、元気ですか?
この手紙をあなたが読んでいるころは私はあなたの傍にいないか、それとも天国にいるのだと思います。
勝手にこんな手紙を書いてごめんね。
でもね、ちゃんと読んで欲しいの。
私の気持ち、書くから受け止めてね。
私と皐が出逢ったのは秋ごろだったよね。
皐が転校してきたとき、「見つけた」って思ったんだ。
皐が王子様みたいにかっこよくて。
今まで私は恋愛に興味がなかったけど皐が現れてから、あなたしか見ていなかった。
初めて話したの覚えてる?
花係だよって言ったの。
私、本当は花係じゃなかったんだ。
元々花係って一人だったの。
でも無理矢理先生に頼んで花係をやらせてもらったんだ。
皐と一緒にやりたくて。
そうしたら皐に少しでも近づけるんじゃないかって…。
皐は気づいていた?
私は初めからあなたに夢中だった。