花の都
三日後、千種は大都市の門前にいる。この都市こそが西の大神殿を擁するリリンである。
「大きい…」
思わず簡単の言葉がこぼれる。小さな村で育った千種の想像を遥か超えた高さの外壁、絶えず流れる人波に圧倒される。
その日はとりあえず、宿を探して体を休めることにした。
朝、宿の食堂で朝食をとってから宿を出る。初めて訪れた大都市は、千種の興味を引くものであふれている。
思わず顔が緩んでくる。これほど浮き立った気分は久しぶりだ。
(…と。いけない)
つい夢中になってしまったが、千種はリリンの大神殿に用があってこの都市を訪れていたのだった。
「まずは巡礼者の登録をしなきゃ、ね」
如何に神の威光が衰えたとは言え、やはり正式な巡礼者とただの旅人では、襲われる頻度が違う。
これからの旅路を安全に過ごしたいからこその、選択だった。
幸いにも教会の建物は巨大で、賑やかなリリンの街並みでも目を引く。
辺りの商店に目を向けながら、千種はゆっくりと歩き出した。
「大きい…」
思わず簡単の言葉がこぼれる。小さな村で育った千種の想像を遥か超えた高さの外壁、絶えず流れる人波に圧倒される。
その日はとりあえず、宿を探して体を休めることにした。
朝、宿の食堂で朝食をとってから宿を出る。初めて訪れた大都市は、千種の興味を引くものであふれている。
思わず顔が緩んでくる。これほど浮き立った気分は久しぶりだ。
(…と。いけない)
つい夢中になってしまったが、千種はリリンの大神殿に用があってこの都市を訪れていたのだった。
「まずは巡礼者の登録をしなきゃ、ね」
如何に神の威光が衰えたとは言え、やはり正式な巡礼者とただの旅人では、襲われる頻度が違う。
これからの旅路を安全に過ごしたいからこその、選択だった。
幸いにも教会の建物は巨大で、賑やかなリリンの街並みでも目を引く。
辺りの商店に目を向けながら、千種はゆっくりと歩き出した。