窓に影
9・テストへ向けて
運命の時期がやってきた。
私の手には学年末試験の範囲表。
進級か、補習か、はたまた留年か……全てはここにかかっている。
一週間後から3日間、二月下旬は毎年恒例の学年末試験。
それに向けて、一番気合いが入っているのは歩だった。
「俺、明日からも毎日来るから」
「は?」
「家庭教師のプライドに賭けて、留年はさせられん」
テストの日取りは南高校も同じらしい。
私の面倒を見ながら、自分も勉強するという。
私はほぼ強制的に毎日勉強する羽目になった。
「え? 毎日あの幼馴染に恵里を取られるってこと?」
苦労するのは、悠晴の説得だ。
未だに歩を敵対視している彼は、大反対。
「留年したくないし、一週間だけ我慢しよう。ね?」
他にもあれこれ言って、なんとか納得してもらった。