窓に影

 少し前までは、悠晴のことを子供みたいに思っていたが、最近では私が甘えてばかりだ。

 抱きついたり、キスをせがんだり、私からすることはほとんどなかったが、最近では悠晴が言い出す前に私から行動する。

 変化を不振がられてもおかしくないと、自分でも思う。

 きっと今の私たちは、傍から見ればバカップルだ。

「それならいいんだけど、困ってることがあるなら、俺に相談していいんだからね」

「うん、ありがとう。でも大丈夫」

 一緒にいればいるほど、悠晴が好きになるような気がした。

 くっつけばくっつくほど、歩の存在が小さくなるような気がした。



 そして、来る火曜日。

 私はいつものように、しばらくダラダラしてから聡美と学校を出た。

「あれ?」

 玄関を出てすぐに視力2.0の聡美が目を凝らす。

「どうしたの?」

 生憎視力1.2の私には、何に気付いたかわからない。

「あれ、南高の制服じゃない?」

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