窓に影



 放課後は一度街へ繰り出すのが日課だ。

「あっ! 久しぶりぃ」

 街へ出るとかつて同じ中学だった男女の友人に再会したりする。

「どうもー」

 そしてその友人が連れている他校の生徒とお知り合いになったりする。

 少し話して気が合えば、携帯で赤外線通信。

 こうやって輪が広がっていく。

 それが女なら、上辺だけの付き合いをする。

 上辺だけでも、数回顔を合わせればプリクラを撮る。

 それが男なら、いずれ恋に発展したりしなかったり。

 発展しなきゃそのうち連絡は取らなくなるし、発展しても数ヶ月で終わる。

 始まりも終わりもあっけないが、付き合った人数の多さがテストの点数以上のステータスになる北高の生徒としては、上等。

「つーかケータイ教えてよ」

「いいよー」

 こうして今日も、出会いにジュースで乾杯なのだ。

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