窓に影
カーテンを閉めてさっきのマンガの続きを読む。
二人は告白の後、その場の情熱に任せてベッドへなだれ込んでいた。
「嬉しい。初めては、あんたにあげるって決めてたの」
あー、はいはい。
良かったね。
あたしなんて初めての人とは三ヶ月で終わったよ。
こんなマンガ借りるんじゃなかった。
私はこんなストーリーに憧れるほど夢見る少女ではない。
そして来る火曜日、母の無理な甲高い声で歩が来たことがわかった。
そういえば、彼とまともに会うのは中学の卒業式以来だ。
中学の時だってあまり仲良くすると「あの二人付き合ってるんじゃ?」なんてはやし立てられたりするから、できるだけ接触は避けていた。
なんか気まずい。
でも一応、生徒だし。
そう思って私も玄関へと向かった――。