一番の笑顔

たった一人しかいない。
私の大切な自慢な兄貴。
この人を離したくない。
初めて心からそう思えた人だった。


すると…


トントントン!

ドアをノックする音がしたので私と蓮の体は離れた。


「蓮~?開けるよ?
ちょっと蓮こっち来て。」


お母さんが顔だけ覗かして蓮に言った。


「ちょっと行って来るから待ってて。」


蓮は部屋を出て行きリビングでお母さんと何か話しているようだ。

ドアが開き蓮が、

「美優?お母さんがリビングに来る?って言ってんだけど来るか?」


私は思いがけない言葉にびっくりしたが正直嬉しかった。

< 22 / 49 >

この作品をシェア

pagetop