一番の笑顔

「美優?どした?
いきなり元気無くなって。」


『蓮ちゃんはいいね!
こんな素敵なお母さんが居て。羨ましいな~。』


自分でも気づかない内にこんな事を口にしていた。


「はぁ?お前のお母さんだって自慢のお母さんだろ?
お前、前に電話してた時言ってたじゃんかよ…。」


『あれ、嘘なの。』


「おい…。嘘ってどういう事だよ。」


蓮はもう何が何だか分からなくなっていた。


『蓮ちゃん。嘘ついててごめんね?
美優ん家ね、母子家庭なんだ。でも美優はママが大好きだったから2人だけの生活でも全然楽しかった。
だけどある日、ママが帰って来なくなっちゃって。
そしたら初めて朝帰りして帰って来たんだ。
お酒呑んでたらしくて酔っ払ってて香水の匂いはすごくて、
美優が話しかけても無視。
そんな日が毎日続いたの。』


蓮を見るとすごく驚いた顔をしていた。

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