一番の笑顔



「うるさいなー。兄貴は好きな人いんだからその子の落とし方美憂ちゃんに教えてもらえよ。」


幸平くんの一言でその場は一気に静まり返ってしまった。


『え?好きな人?蓮ちゃん…。どうゆう事?美憂聞いてないよ?』


蓮は黙っていた。


『ねぇってば!美憂そんな事一言も聞いてないよ?
こないだ会った時好きな人いるの?って聞いたら蓮ちゃんいない。って言ってたじゃん。
嘘だったの?美憂に嘘ついてたの?』


「美憂…。ごめんな。
俺、実は好きな人いるんだ。
一年ぐらいずっと片思いしてる。美憂に言ったら美憂が離れていきそうで言えなかったんだ。本当ごめんな。」


私はその時思った。
この恋は本当に叶わないんだって。私には勝てないぐらいのすごく良い女なんだって。


『美憂は蓮ちゃんの妹だよ?
隠し事しないでよ。
相談ならいくらでものるからちゃんと言ってよ。
美優だけ仲間外れみたいで悲しいじゃん…。』


本当はこんな事が言いたかったんじゃない。
どうして私じゃないの?って
どうしてこんなに想ってるのにその女をとるの?って
聞きたかったのに。

でも、これを言ってしまったら蓮との関係が終わってしまうんじゃないかと思ったら怖くて言えなかった。

妹でもいい。蓮の側に居たかったから。


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