一番の笑顔
私はこの場に居るのが辛くなって仕事に行く事にした。
『蓮ちゃんごめんね。今日は帰る。』
蓮は慌てて
「え?どうして帰るの?
俺が嘘ついたから?それなら謝るしもう嘘付かないから。」
蓮がすごく憎かった。
殴りたいほどに憎かった。
だけど私は…。
蓮を抱きしめていた。
「美優…?」
『蓮が嘘ついてムカついて帰るんじゃないよ。
やっぱり仕事休めないからこれから出勤してくるの。』
「そっか。」
抱きしめたまま私は言った。
『このまま。このままこれから美優が言う事ちゃんと聞いて?恋はね?辛くて苦しいけどどんなちょっとした事でも嬉しく思えて愛おしく思えるのが恋なんだよ。本当に好きなら諦めちゃだめだよ。
美優はいつだって蓮ちゃんの見方だからね。』
そう言って私は離れて最高の笑顔で手を振り蓮の家を出た。
空は星がたくさんで綺麗だった。
『これが恋って言うんだー。
切ないんだね。もっと楽しいもんなのかと思ってた。』
「楽しいだけが恋なんじゃないんだよ。」
びっくりして振り返ると幸平くんが居た。