一番の笑顔
『幸平くん!!』
「夜道に女の子が一人で危ないでしょ。駅まで送って行くよ。」
私と幸平くんは二人肩を並べ空を見上げ駅まで歩いた。
「兄貴さー。美優ちゃんと出会って変わったんだよ。」
幸平くんの言ってる事が分からず聞き返してしまった。
『それどうゆう事?』
「兄貴毎日日替わりのように女を連れ込んでたんだ。
一度相手にしてやった女は用無しで二度と優しくはしない。
すんごく女にだらし無い兄貴だった。
でもここ最近いきなりピタリと女を連れ込むのを止めたんだ。そしたらその理由が美優ちゃんだったんだね。」
『幸平くん。美優訳分からないよ。』
「家では笑顔で美優ちゃんの事を話す兄貴が毎日いる。
美優ちゃんと出会って笑う事も多くなって前の兄貴に戻った。人に心を開かなかった兄貴が美優ちゃんのおかげで心を開いたんだ。」
そんな事を言われても私には分からなかった。
いつの間にか駅に着いてしまった。
「美優ちゃん。本当にありがとう。不器用な兄貴だけどこれからもよろしくね。今日美優ちゃんに会えて良かった。」