一番の笑顔

『ん。もしかして蓮ちゃん?初めまして。こっちが友達の優衣。』

「初めまして。こっちが俺の先輩の翔さん。」


自己紹介も終わり私達は近くにある公園に向かった。
皆初めてとは思えないぐらいに話しが盛り上がっている。
だけど普段は優衣が皆にからかわれる役なのに今回はなぜか私がからかわれていた。

「それにしても美優。お前身長低すぎだろ!逆に何を食べたらそんなに身長伸びないんだよ。何センチあんだよ。」

『149センチ。女の子は身長が低い方が可愛いんだよ。』

「お前馬鹿だろ。身長が低い方が餓鬼に見えるんだよ。んまっ!お前は、身長が伸びてもブスで餓鬼だろうけどな。」

私は頭の中でプツンッて音がしたのが分かった。

『あぁ!?てめぇ誰に向かって物事言ってんだよ。』

私はいじられるのに慣れていないからすぐに怒鳴ってしまう。
「あ~あ。美優あれ完全にキレてるよ。あたし美優がからかわれてる所初めて見たし!」

「ありゃりゃ。美優ちゃんあれてんね。そろそろやばいんじゃないの?」

翔さんの言う通り私は限界にきていた。

『あー!もう!うっぜー男だな!そんなに身長の高いお姉さんがいいならとっととナンパしてこいよ。美優はもう帰る。』

そう言って私は鞄を持って駅の方へと向かった。

「蓮ちゃん、美優の事怒らせないでくださいよ。美優怒ると怖いんですから~。」

「蓮。何してんだよ。美優ちゃん怒って帰っちゃったじゃん。俺ちょっと行って来るわ。」

翔さんは私を追って来てくれた。

「蓮ちゃんいいんですか?翔さんに行かせちゃって。美優とられちゃいますよ?」

「別に俺には関係ないし。」

「ほんっと分かりやすいですね。追いかけるなら今の内ですよ。」

「あ~!ほんっとあの女はめんどくせぇ女だな!」

蓮はものすごいスピードで美優の所まで走って向かった。

「翔さん。あの…美優の事は後は俺に任せて下さい。」

「来るのおせぇんだよ。美優ちゃんの事あんまりからかうなよ?」

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