俺様モデルと天然歌手のsweetなlove story.


――ガチャ



「お邪魔します」



『いらっしゃい』



聞きたいことが沢山ありすぎる。
まず今の状況が今だに理解できないくらいだ。
だって、今一緒にいるのは死んだはずのパパだもの・・・。



『向こうのソファーに座ってて?今お茶入れるから』



「すまないな」



桃夏が6歳の時に死んだパパ。

パパと呼んだ方がいいのか、お父さんと呼ぶのか、、、名前で呼んだ方がいいのか。


10年間も会っていなかったんだ。
いや、また再会できたことは奇跡なんだ。
本当だったら桃夏が天国に行くまで会えなかったんだもの。

だから、10年間も会っていないぢゃなくて、10年間越しに会えたんだ。
この言い方が正しいのかもしれない。



『はい、お茶』



「ありがとう」



『ねぇ、名前は?』



「忘れちゃった?」



『覚えてるに決まってるぢゃない。だけど、確認。本物なのかね?』



「新井結人(ゆいと)」



『ぢゃあ、ママとお兄ちゃんの名前は?』



「友里(ゆり)と航樹(こうき)」



『本物だ・・・。』



また会えたんだ。
また昔みたいに家族みんなでいれるんだ。



『ねぇ』



「なんだ?」



『昔みたいにパパって呼んでもいい?』



「パパって呼んでくれないつもりだったのか?」



『駄目って言っても呼ぶもん!』


「桃夏は変わってないね」



『ねぇ、パパはいつ日本に戻って来たの?なんで死んだ事になってたの?』



パパが死んだ、とママから教えてもらった時、桃夏はまだ6歳だった。


6歳という幼い年齢の桃夏にパパが死んだ原因を教えてくれるわけがなかった。


桃夏やお兄ちゃんがもう家に帰って来ることのないパパの話をしてると、ママはパパを思い出して寝室で一人泣いていたのを知ってる。


だから、桃夏もお兄ちゃんもパパの事は聞かなかった。聞けなかったんだ。



「・・・ママから聞いてないのか?」


『教えてくれるわけがないじゃない。』



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