ハート・ビート
春~出会い、始まり~
日曜日の夜____。
私・姫川月乃はいつものように隣町からのバスから降りる。
『わっ・・・。寒っ・・・。』
思わず鳥肌が立ってしまうほどの寒さ。季節は春だって言うのに…。
吐く息は白い。闇夜に際立つ白さだ____。
『とにかく早く帰らなきゃ・・・・。』
私はギターを背負い、歩き出す。
_____しばらく歩くと、この町で一番きれいな桜並木の通り道が見えてきた。
『うわぁ・・・。きれい…。』
上を見上げれば、満開の桜。特に、今は月に照らされてとてもきれいだ____。
ドンッ!!
『きゃっ』
誰かとぶつかった_____。
「ったく・・・。誰だよ…。」
どうやら相手は男性らしい。
「おい、上向いて歩いてんじゃねぇーぞ。このタコッ。」
『誰がタコだってーーー?!』
その時は顔を見ていなかったからわかんなかったけど、その男性の顔を見たとき、私は思った_____。
_____かっこいい・・・・。
・・・・って、何トキメいてんだ?!
「ねぇ、きいてんの?」
『はいっ?』
「あんたが背負ってるもん、ギターだろ?」
「