ハニー*スパイス





「椿? どうした?」


「えっ?」


パパの声に、さっきからぼんやりとしていたあたしはハッと顔をあげた。


家に帰っても落ち着かなくて。


結局、献立は簡単なものになってしまった。


クリームシチューとサラダだけ。


なのに、パパはおいしそうに食べてくれる。


「椿の料理はうまいな」って言いながら。

< 116 / 203 >

この作品をシェア

pagetop