ハニー*スパイス
ここで行き止まりだと思っていたのに、良く見れば絵の隣に扉がある。
壁と同じ色をしているため、今の今まで気づかなかった。
「あの……このドアの向こう……って、まだ部屋が続いてるんですか?」
たまたま近くにいた係員のような男性に声をかけた。
黒いセルフレームメガネをかけたその人はにっこりと微笑んでくれた。
「ええ。入れますよ?」
「そうなんだ……。
じゃ……」
と、扉を引いてみるものの、いっこうに開かない。
どうしようと戸惑っていると、さっきの男性から声をかけられた。
「この扉はパスワードを入力しないと開かないんですよ」
「パスワード?」