ハニー*スパイス

たしかに岳さんはそう言ってた。


思わず興奮して、大声をあげてしまったあたしに、係員さんは「シィ」と目配せする。


「すみません」とあたしは頭を下げた。


「じゃ、どうぞ。
入力してみてください」


「はい……」


指が震える。


蜂蜜だから。


h…o…n…e…y

“ハニー”


ゆっくりと確認しながら文字を入力していく。


するとドアの向こうでカチャっていう金属音がした。


――鍵が開いた……。

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