ハニー*スパイス
不思議なお菓子
翌日の放課後。
このドキドキの意味をたしかめたくて。
授業が終わるやいなや、駆け足でヘクセンハウスに向かった。
岳さんは店の外にいた。
ドアの前に座り込んで、タバコを吸ってる。
「ここ、喫茶店だったんですね」
茶色いクセ毛を見下ろしてそう尋ねると、彼は面倒くさそうに顔を上げた。
口の端にタバコを咥えたまま、あたしを見て呟く。
「あ……昨日のガキ……」