ハニー*スパイス
「椿にプレゼントがあるんだ」
胸から顔を上げ、
岳さんはあたしをカウンター席に連れて行く。
そして自分はカウンターの中に入ると、棚から取り出したものをあたしの目の前に置く。
「すごい……これ……岳さんが作ったの?」
それはものすごく凝った作りの、“お菓子の家”だった。
壁も屋根も窓も……
全てがお菓子でできていた。
全体はクッキー生地でできていて、小さなチョコやキャンディーで飾られている。
まるで今日みたいに、粉砂糖の雪がうっすらと積もっている。