ハニー*スパイス
彼は王子?それとも…
――ザッザッザッ……
湿った空気の中
落ち葉を踏みしめるあたしの足音が響く。
そこは通学途中にある森。
大きな木がうっそうと生い茂っていて、昼間でも薄暗い。
子供の頃は、本当に魔女でもいるんじゃないか……って怖くて近寄れなかったけど。
その日、あたしはなぜか気まぐれにここを通ってしまった。
そうして見つけたのだ。
ある物を……。