ハニー*スパイス


美紀さんのお腹は細い体つきにしては、前にせり出すように膨らんでいた。


服装は、ヒールのない靴に、ウエストをしめつけないようなワンピースだった。



それが意味することぐらい、あたしにもすぐにわかった。


彼女のお腹にはパパの子供がいるんだ。


「だから、式は挙げないで……籍だけ入れるつもりなんだ。
お前が許してくれたら……」


「何それ?
じゃ、あたしが嫌がったら、パパは結婚しないの?
そんなことできるわけないじゃん!
赤ちゃんが産まれてくるんだよ?」


「椿は……反対なのか?」

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