ファーストキスは、最後のキス
「嫌なことばかりで、押し潰されそうになった時。辛くて仕方ない時、俺が全部受け止めてやるから…。もう、泣くなよ」
「っ……ぅっ…」
2人が離れる隙間がないくらい、きつく抱きしめれる。
どうして、こんなにもドキドキしてるんだろう…。
雅人の匂いが、心地よくて、私の凍りかけていた心を溶かしてくれる。
一瞬、嫌みな奴だって思った自分が、バカバカしく思えてくる程の、大きな優しさだった。
どうして、そんなに優しいの?
それは、やっぱり皆にも優しいから?
「さくらは、強いから、変に周りを意識しちゃって、不安とかストレスを溜めこんだまんまにするんだよな?」
こんなに優しい男の子。
そういないなぁ…。
雅人と付き合える女の子って、きっと幸せだろうな。
なんでだろう…。
この時から、少しずつ雅人を気にかけていた。