ファーストキスは、最後のキス
「おはよ!」
「チーッス!」
私とリツが、教室に入る。
教室には、もうほとんどの生徒がいる。
「お!さくら、ハヨッスー!」
朝から、元気な声が耳に入る。
振り向くと…。
「ゲッ…」
にこにこと、満面な笑顔の雅人。
今、私の中で一番ちゃんと顔合わせ出来ない人。
昨日と、今日はとことんついてないなぁ…。
「よっ!」
私の肩に、ポンっと手を乗せる雅人。
なんか、今日の雅人は、いつもよりテンションがやけに高いのは、私の気のせい?
「ぉ、…おはよう」
「元気ねぇじゃん。なに、やっぱ選手から落ちたこと根に持ってんの?」
「うるさい!私だって、いつか絶対出られるもん!」
「へいへい。まあ、頑張ってくださいよ★」
そう言って、私の髪をぐしゃぐしゃと撫でる。
「ま、まあ…頑張りますよ」
今日の、雅人は、どうも調子狂うなぁ…。
熱でもあんのか?
それとも、朝っぱらから酒でも飲んできたのか?