ファーストキスは、最後のキス
全然わからない授業も終わり、お昼になった。
私は、机の横に下げているバックから、お弁当箱を取り出して、机に置く。
お母さん、何詰めてくれたかな♪
私は、結構寝坊するタイプだから、朝、自分でお弁当を詰めることが出来ないのです。
情けないですが…。
リツと机をつける。
「あたし、最近自分で弁当のご飯作るようになったんだぜ?」
「そうなの?!私は、そんなの無理だよ」
リツは、エライなぁ。
自分のことは、ちゃんと自分でやってるし。
私とは大違いだ。
「ヤッベ。弁当忘れた」
教室のロッカー側の方から、焦ったような声が聞こえる。
「どしたんだろうね?」
リツが不思議そうに、それを見つめる。
私は、少しとまどっていた。
そのお弁当を忘れた人が、翔だったから。
どうしよう。
私のお弁当上げようかな…?
一応、部活の時お腹すいた時のために、パン持ってきてるし、それを食べればいよね。
イスから立ち上がって、翔たちの方に行く。
「あのぉ…、良かったら、私のお弁当食べていいよ…?」
お弁当を差し出す私。
「…ぇ…」
少しビックリしたように、目を丸くさせる翔。
嫌だったかな?
お弁当を自分の方に、戻す。
「ぁ、あの、余計なお節介だったらいいの!ただ、バスケ部の時、お腹空いちゃうんじゃないかなって…」
やっぱり、女子のお弁当とかって、嫌だったかな…?
パン渡した方が良かった?
でも、パンだけだと、男バスって部活動の時間が女バスより、多いから、結構体力減っちゃうんだよね。
でも、嫌だったなら、仕方ないか…。