ファーストキスは、最後のキス
◆*。*雅人と翔*。*
「よし!校庭10周!!」
「「はい!!」」
部活の時間、いつもより、大きな声が校庭に響く。
全国大会が近くなり、選手の子は、より一層気合を入れている。
美夏も時々、部活が終わっても、残って練習してるみたい。
私も、美夏たち以上に頑張らないと!
今、こんなに前向きなのは、翔のおかげかな?
"じゃあ、今度お礼するな"
どんなお礼をしてくれるんだろう?
最近は、それが楽しみでバスケ部も、勉強も楽しく思えてしまう。
「さくら、最近機嫌いいね!」
息を切らしながら、美夏が言う。
「うん♪ラッキーなことがあった☆」
「なに、なに?」
「ナイショッ!」
美夏より、少しペースが上がる。
足が、軽く感じるんだ。
フラれた時の学校は、登校するのが憂鬱で、なんだか、少し嫌いだった。
だけど、今は、恋してる。
また、同じ人に恋してる。
その人に会いたくて、早く学校に行きたいって思っちゃう。
これって、恋の魔法かな…?―――